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万年筆と、書くことの快感~文具自分紀行・その5

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万年筆と、書くことの快感~文具自分紀行・その5
万年筆と、書くことの快感~文具自分紀行・その5 全 3 枚 拡大写真
 私ことヨシムラマリが、日頃から「あーでもないこーでもない」と考えている紆余曲折をあえて公開することで、文房具について思考をめぐらせ悩む楽しさを半ば強制的に共有しようというこのコラム。第5回は、私にとっての万年筆と、書くことの快感について考えてみたい。

◆文房具マニア的「萌え」ポイントとその例外

 鉄道マニアにも乗り鉄、撮り鉄、音鉄と様々な流派があるように、ひとくちに「文房具が好き」といっても、どのようなジャンルが好きか、またどこに魅力を感じるのかはまったく人それぞれである。

 私にとって文房具の「萌え」ポイントは何かといえば、「道具としての実用性とそのために込められた工夫」ではないかと思う。よって、文房具はあくまでも道具であり、目的の達成を助けるために使うものであって、使うこと自体が目的になってはいけない、という主張をことあるごとに展開してきた。

 しかし、何事にも例外はある。この際だから白状すると、私にも「使うことが目的で使う文房具」が少なからず存在する。その代表が、万年筆なのである。

◆万年筆は「便利」!…とはいえないかもしれない

 つけペンや筆が主流であった時代ならいざ知らず、ボールペンをはじめ安価で高機能な筆記具がいくらでも手に入る現代社会において、単純に「紙に文字を書く」機能を満たすことだけを考えると、万年筆は決して「便利」な道具とはいえない。

 まず、高価である。ボールペンなら100円でも十分な品質のものが購入できるが、万年筆は一般的にエントリークラスとされているものでも価格は数千円。それなりにしっかりしたものを、と思えばあっという間に数万円に跳ね上がり、高級品ともなれば10万円以上の逸品も当たり前である。

 買ったら買ったで、インクの補充や洗浄といったメンテナンスに手間がかかる。筆記時、携帯時、保管時の取扱いにも丁重さが求められる。実際に「書く」以外にも、気を配らなければならない点が数多くあるのだ。なぜそんな「不便」なものをあえて使うのか?

 この問いに対する回答は非常にシンプルで、つまり単純に、不便さを補ってあまりあるだけの「快感」がそこにあるから、にほかならない。
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《ヨシムラマリ》

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