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みんなメモ帳を何に使っているの?気になる職業の方に聞いてみた【後編】

文房具 ノート・手帳

文具コンシェルジュとしてコラムも書かれている異彩の薬剤師で、四ツ谷のサイエンスバーがお気に入りというリケジョの久保山さん。取材時の最初の言葉が「ナノプシャンって知ってますか?」というほどの生粋の理系女子。
文具コンシェルジュとしてコラムも書かれている異彩の薬剤師で、四ツ谷のサイエンスバーがお気に入りというリケジョの久保山さん。取材時の最初の言葉が「ナノプシャンって知ってますか?」というほどの生粋の理系女子。 全 10 枚 拡大写真
 日本人はメモを取るのが好きに違いないと思い込んだinspi編集員が、年間国内販売数3000万冊以上(コクヨ調べ)にのぼるリングメモ帳の使い方を徹底的に調べてみました。

 前回は、和装ウェイトレスとキャビンアテンダントのお二人にお話を伺い、接客におけるメモの大切さを教えて頂きました。今回は、さらにハードな医療現場でのメモの使い方を徹底調査し、文字通りメスを入れていきます!

◆薬剤師(久保山和美さん)の場合

 紙と万年筆が大好きだという趣味が高じて文具コンシェルジュとしてコラムも書かれている異彩の薬剤師で、四ツ谷のサイエンスバーがお気に入りというリケジョの久保山さんにお話を伺いました。

―お仕事についてお聞かせください。

「患者さんにお薬を出すお仕事なのですが、そのために文具はよく使うんです。薬剤師がよく身につけているものは、ハサミ・ペンとメモ・カッターです。ハサミは錠剤が連なっているシートを日数分に分ける時に使います。金属シートを切るため、刃がすぐに痛むので半年に一回新調しています。気分転換にもなりますし(笑) あと、薬やシップなどは、何でも段ボールで送られてくるので、開梱用にカッターを使います。」

-文具をよくお使いになるんですね。

「テープのりもよく使いますよ。処方箋は患者さんがお持ちになるので電子化されていないのです。処方箋は保存義務もあるので、調剤録を直接印字しないので、裏打ちにテープのりを使います。」

(左)3分割にして、調剤での留意事項や、患者さんの様子を記録
(写真)3分割にして、調剤での留意事項や、患者さんの様子を記録

-メモはどのように使ってますか?

「小さいメモ帳は常に白衣の胸ポケットに入れて利用してます。メモ帳は3分割にして使っていて、調剤業務では、気をつけなければならないことや、薬の特徴などを書いています。出張する場合もありまして、その時には患者さんのバイタルサインなどを記録しています。少し大きめのメモ帳は、薬の光や湿気に対する留意事項を、辞書的に参照できるようにしています。」

調剤の梱包などに必要な、光や湿気の留意事項を記入
(写真)調剤の梱包などに必要な、光や湿気の留意事項を記入

-3分割の工夫などは薬剤師ならではですね。筆記具にこだわりはありますか?

「本当は好きな万年筆を使いたいところですが(笑)、カルテはそんなによい紙ではないため、相性はよくないのです。最近は油性ボールペンを使っていますね。東日本震災の時に、水性ペンで筆記したものは全部消えたらしく、カルテなどの大事な物は油性の方がよいと勧められたからです。」

-なるほど!そんな事情もあったのですね。メモ帳の紙質はどうですか?

「ソフトリングメモは、紙の触り心地がよかったです。万年筆のインクも抜けないので、とてもよいですね。あと、方眼やドット罫はベンゼン環が描きやすいので気に入ってます(笑)」


◆看護師(NKさん)の場合

 共働きで子育てをしながら働き、最近は管理職になったというNKさんは、脳外科の集中治療室というシビアな職場で働いておられます。

-大変なお仕事ですね。大事なことが多い気がしますが、どのように記録を取られますか?

「患者さんの様子などはとても大切な情報なので、間違いのないように、集中治療室のベッドと同じレイアウトで6分割にして記入しています。
裏紙を6分割して患者の様子を記入する
(写真)裏紙を6分割して患者の様子を記入


-3色ペンを使っているようですが、どのような使い分けされているのでしょうか。

「自分のためのメモは「黒」で書いています。集中治療室では、交代するときの申し送りが必須になりますので、申し送りが必要なものは「青」にして、最後にまとめて「赤」で書いていくと引き継ぎがスムーズなんです。」

3色の使い分けをしているメモ帳。基本は「黒」申し送り事項は「青」引き継ぎ用にまとめたものは「赤」で記入
(写真)基本は黒、申し送り事項は青、まとめたものは赤で記入

-看護師の方はよくメモを取られますか?

「はい、よく取ります。市販のメモ帳を使うのは、文具好きな2,3割の人だと思います。病院では間違いがないように看護師2人が確認するための指示書などを大量にプリントしています。飲み薬や注射の指示なので、すぐに不要になるんですね。ですので、その裏紙をクリップに挟んで利用している人も多いです。リハビリのスタッフはA4ノートを使っていることが多いと思います。私も、裏紙を使っていましたが、メモ帳にすることによって、業務以外のことなども、どこに書いたか忘れることがなくなって、安心感が持てるようになりました。」

-リングメモ帳を使っている利点はありますか。

「ポケットに入れておけるので、つい机などに置き忘れることがなくなりました。このソフトリングは、リングが柔らかいので、しゃがんだり、かがんだりしても、ポケットの中で折れたりゆがんだりしないので、とても持ちやすいです。」
仕事で使うメモ帳と、スケジュール帳
(写真)スケジュール帳で、家族とシフトを共有することが大事だという


◆リング型メモ帳の使用実態まとめ:

 社会人の9割はメモを使っていて、6割が毎日使用しているという調査結果から、より詳細を知るために、最もアクティブな現場と思われる職業にフォーカスし、2回に渡ってその実態をリポートさせて頂きました。

 やはりハードな現場では、ポケットから出し入れをしたり、簡単にめくって書きとめ易いリング型のメモ帳が活躍しているようです。リングの利点として、紙が千切りやすいことをあげられる方が多いのは意外でした。一方、動き回ったり、屈んだりすることでポケットの中で変形することを不満にあげる声もありましたが、今回使っていただいたソフトリングノート・メモが、現場でのタフな使い方に最適なツールであることが判りました。

 今回の一番の収穫は、ツールの利点のみならず、真剣な現場ならではの書き方の工夫などを数多く教えて頂けたことです。これらの創意工夫は、職業の域を超えても参考になるのではないでしょうか。


【注釈】取材では、コクヨ製ソフトリングノートを予めサンプルとしてお渡したものをご利用いただき感想を伺っています。

《inspi編集部》

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