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ワークスタイル研究所「ワカハラ所長の理系愛」~理系用LINEスタンプ(前編)~

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算数のたかし君
算数のたかし君 全 7 枚 拡大写真
 こんにちは。コクヨワークスタイル研究所のワカハラです。理系の世界をこよなく愛する私が、その理系愛をさまざまな表現で発信していく、という実験的コラムを担当することになりました。

 今回からは2回連続で前・後編に分けて、過去に同僚と共同作成するもお蔵入りとなった「理系用LINEスタンプ」を、解説付きで公開してみたいと思います。では、まず前編をどうぞ!

◆高まる愛をぶつけるも冷たく拒絶された、辛い過去

 数年前、LINEスタンプを作ることが流行りだした時期がありましたよね。そのブームに飲まれた私は何を血迷ったのか、ありあまる理系愛をLINEスタンプ作成にぶつけてみようと乱心してしまったのです。

 同僚のグラフィックデザイナー金井氏を巻き込み、仕事の合間を縫ってコツコツとスタンプを共同作成。「実にエレガント!ほとんど到るところで使いたい」と意気揚々と提出するも、審査にてそれらは「日常会話で使用しにくい。Q.E.D.」と冷たくリジェクトされてしまったのでした。

 ∅(空集合)となった私の心と共にしばらくお蔵入りになっていたそれらのスタンプ、数年ぶりに眺めてみると、よくある「忘れかけていた何か」を思い出させてくれる気がしました。ただし、「忘れかけていた何か」だけだと理系的には定義不足。なので、作成したスタンプをいくつか抜粋して振り返りながら、「忘れかけていた何か」を明確に定義してみたいと思います。

◆算数のたかし君

 スタンプを作るうえで、まずはキャラクター設定が重要ですよね。理系といってもさまざまな学問分野がありますが、まずは算数/数学分野にてなじみのあるキャラクターを使うことにしました。一つ目のスタンプを紹介します。

 算数の問題によく出てくる、理系好きの一部で絶大なる人気を誇る「たかし君」です。彼は常にリンゴやミカンを数個ずつ買いに行かされ、その総額や買った個数、おつりはいくらなのか等々をひたすら問われ続けるという、なかなか難しい宿命を背負った人物ですね。

 そんな彼にも自然界の物理法則はもちろん適用されます。買ったミカンを買い物かごにむけて上向きに放るとき、そのミカンがたどる軌跡は放物線となります(ただしミカンの大きさと空気の抵抗は考えないものとする)。ノールックで放ってもちゃんとかごに入るところは、買い物慣れしている彼ならではのスキルですね。そういったようなことを伝えたいときに使うスタンプです。

 次はこれです。

 3つのリンゴを買ったたかし君、買い物かごを放り出して駆け出してしまうテンションの高さです。やはり「3」は素数であると同時に、「1(私)」でも「2(あなたと私)」でもなく、「第三者」という言葉の存在が示すように、この「3」以降から社会が始まるといっても過言ではない、特殊な数だからでしょうか。

 私も同様な理由にて、数字の中で一番好きなのは「3」です。大学受験生の時は、模試でも本番でも自分の受験番号が3で割り切れる数字かどうかを常に気にしていました。ちなみに今の会社の社員番号は3で割り切れるのでなかなか気に入っています。ええ、常軌を逸した思考様式というのはわかっています、大丈夫です。

 しかし、3というのはそれだけの魔性の魅力を秘めた数字であると。そういったことを伝えたいときに使うスタンプですね。

 これはいかがでしょう。

 たかし君、買い物の合間にコーヒーで一息の図です。でもよく見てください。コーヒーカップにf(x)とあります。f(x)といえば「関数」ですね。関数とは「ある値を別の値に変換するルールである」とか習いましたけど、よくわかりませんよね。

 でも、コーヒーカップが関数fだとすると、コーヒーを並々と注いだコーヒーカップはf(コーヒー)となるわけです。ちなみに紅茶を注いだ場合はf(紅茶)です。例えたところで全然わかりませんね。そういったことを伝えたいときに使うスタンプです。

 次行きましょう。




 理系人間にとっては、ある図形を目の前に出され、何かを問われた場合、そこに補助線を引けるかどうかが生死の分かれ目になるのです。何を見ても補助線を引きたくなるのは、理系の職業病ですね。そういったことを伝えたいときに使うスタンプ達です。

 前編、あと残り2つです。

 雪の降る寒い日も、一人ぼっちで買い物に行くたかし君。よく見ると雪に交じって数字も降っています。さらによくよく見ると、降っている数字はある規則に基づいた数字…そう、フィボナッチ数列ですね。

 「一人ぼっち」と「フィボナッチ」、なんだか似ている気がしませんか?こういうことを言い出すと、自分が理系であると同時におっさんにもなってきたのだなあと実感しますね。そういったことを伝えたいときに(以下略)。

 前編にてご紹介する最後のスタンプです。

 細長い紙を一ひねりして輪にすると、裏と表がつながっちゃう「メビウスの輪」というものがありますよね。その3次元バージョンが「クラインの壺」という、中だったのがいつの間にか外になっている、というやつです。その壺からたかし君が顔を出しています。

 カジュアルに「Hi」なんて挨拶していますが、たかし君の本体は一体どうなっているのか?3次元空間までしか認識できない私たちでは、想像するだけで息が詰まってしまいそうです。もし4次元空間で生活する生物がいたら、すんなりわかるのでしょうけど。次元の壁って切ないですね。そういった(以下略)

 いかがでしたでしょうか?次回、後編ではもう一つのキャラクター、猫好きにはいろいろな意味でたまらない「シュレディンガーの猫」が縦横無尽に活躍するスタンプ達をご紹介します。今回ご紹介した内容と合わせて、私の理系愛表現が果たして必要十分なものになっていたのか確かめたいと思います。ご期待ください!

著者プロフィール:「ワカハラ所長」"ワカハラ所長
東京大学大学院卒業後、SIer、経営コンサル、広告代理店を経て「ビジネス×クリエイティブ×テクノロジー」を横断する活動領域を確立。2010年には経済産業省と「クールジャパン室」を立ち上げ、「産業構造ビジョン2010」の取りまとめに参画しながらCool Japan発足の礎を築く。2011年コクヨ入社。現在はワークスタイル研究所にて新しい働き方・暮らし方の研究に従事しながら、自分自身の働き方実験として複業で個人事業を立ち上げ、個人コンサルタントとしても活動中。

《ワカハラ所長》

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