1980年代に登場した言葉なのですが、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催を契機に、世界に誇れる水準でユニバーサル化された公共施設や交通インフラの整備を推進するとともに、心のバリアフリーを推進し、大会以降のレガシーとして残していくための施策を実行するために、「ユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議」が設置されたことが、その一因にあるようです。これから全国各地でユニバーサルデザインの街づくりが進んでいくことに期待したいですね。
ユニバーサルデザインって何?という方のために、今回はユニバーサルデザインの定義や事例、コクヨの取り組みについてご紹介したいと思います。
◆ユニバーサルデザインとは
私たちの社会には、色んな人々が暮らしています。男性と女性、子供やお年寄り、右利きの人や左利きの人、ケガをしている人もいます。
ところが、身の回りにある物は全ての人々にとって使いやすいとは限りません。駅の階段で、ベビーカーを抱えたお母さんや車いすに乗っている人が戸惑っている場面に遭遇した経験がある方は多いと思います。
ユニバーサルデザインは、このように私たちが今まで当たり前のように思っていた不便な事や困った事を減らしていって、たくさんの人々が使用しやすいように製品やサービス、環境をデザインする考え方なのです。
◆バリアフリーとの違いとは
バリアフリーは、その名の通り物理的なバリア(障害)を取り除くという意味です。思想の前提は障害のある人や高齢者です。これに対して、ユニバーサルデザインは、多くの人にとって使いやすいことが前提ですので、はじめからバリアのないデザインにするという考え方です。
分かりやすい事例で説明すると、階段や段差のあるところにスロープを取り付けるのはバリアフリーの考え方、設計段階からスロープを計画に組み込んで作るのがユニバーサルデザインということです。
◆身近にあるユニバーサルデザインの事例
<シャンプーの容器>
触っただけでリンスの容器と区別できるように、容器の側面に凹凸や突起がついています。これによって、目が不自由な人はもちろんですが、シャンプー中に目をつむったままでもシャンプーかリンスかの区別がつけられますね。
<エレベーターやエスカレーター>
意外と思われるかもしれませんが、これも立派なユニバーサルデザインです。階段のすぐ近くに、エスカレーターやエレベーターが設置されていれば、色んな人にとって便利に使えますね。
<看板やサイン>
空港や駅などの公共施設でよく見かける様々な案内板やサインも、パッとみて直感的にそこに何があるかがわかると言う意味で、多くの人に便利なユニバーサルデザインです。

◆コクヨの取り組み
文房具も老若男女問わず多くの人が使う物なので、コクヨは早くからユニバーサルデザインの考え方を商品企画に取り入れてきました。創業以来の「買う身になって作りましょう」というモノづくりの精神に基づき、社内でUDガイドラインを制定し、全ての新製品においてガイドラインに従って企画開発を進めることを義務付けています。
さらに、商品そのものだけではなく、お買い求めいただくシーンや、パッケージにもユニバーサルデザインを取り入れることによって、商品を通して「やさしさ」ご提供します。コクヨ社内の基準を全てクリアした商品にはこのマークがついているのでチェックしてみてください。


毎月締め切りに追われ、思い通りの記事がお届けできていない気分に苛まれている崖っぷち編集員です。でも、読者の皆さんに少しでも楽しんでいただける記事を書こうという想いだけは負けていませんので、長い目でみてやってください。ちなみに、ペンネームは、愛犬(コーギーちゃん)の名前です。