最近ピーンと来たのは、コクヨのレールクリヤーホルダー(PET)A4横。このコラムで何度もお伝えしている通り、ミュージシャンの閲覧する資料の9割は譜面です。INSPiでは暗譜(譜面を暗記する)が基本ですが、コンサートの内容によっては、バックコーラスとして出演する場合もあります。そういった時に重要なのが演奏中の譜面閲覧方法。通常であればクリヤーブックひとつあれば事足りるのですが、問題は横向きの譜面の場合です。
◆譜面は縦?横?
INSPiが最近出演したコンサートは2月18日、浜松アクトシティ大ホール。Eテレ「クインテット」出演や昨年のドラマ「ひよっこ」の劇伴、2017年紅白歌合戦オープニングミュージック等を手掛けた宮川彬良先生の誕生日記念コンサートでした。宮川先生の譜面は基本的に横向きです。先生の音楽の歴史をすべて振り返る内容につきすべての曲を暗記できる物量ではなかったことと、譜面完成から本番までの日数が近いこともあり、この公演では譜面を見ながらの演奏となりました。
A4横の書類を横方向にめくって閲覧できるクリヤーブックは、きっと需要が少ないのでしょう。手近な文房具店に問い合わせてみても、在庫ございません状態でした。はて困った、どうしよう、とブラブラしている時に見つけたのがレールクリヤーホルダーでした。これで挟んだらめくりやすいんじゃないか!しかも書き込みもしやすいんじゃなかろうか!とピーンと来たその場でお買い上げ。
◆レールクリヤーホルダーの利点
リハーサル現場に持ち込んで使用してみると、ビンゴ!バラバラにならないのはもちろんのこと、ステープラーで留めるのと違って順番入れ替えもスムーズ。それいいネ!ということで、INSPiメンバーにもおすそ分け。ただひとつ難点があるとすると、両面刷りの譜面でないと、見開き時に片面しか閲覧できないということぐらいでしょうか。
![]() | ![]() |
結局僕は本番でめくる回数を減らすために(と言うよりマスキングテープとカルカットクリップを使いたいがために)譜面をマスキングテープでつないで製本。見開き時の閲覧量を優先しましたが、譜面閲覧術としてのレールクリヤーホルダーの使い方はメンバーにも好評でした。
コンサートが終わってから、横向きに開けるクリヤーブック入荷のお知らせが届いたので、すぐさまお迎えにあがりました。次に横向きの譜面を使うときが来るまで、僕のお道具箱の中で眠ってもらうことにします。

アカペラグループ「INSPi(インスピ)」のVocal担当。文房具好き。出身地である静岡県磐田の「いわた茶PR大使」を務める。 / INSPi:2001年フジテレビ「ハモネプ」出演がきっかけとなりメジャーデビュー。2005年2月より日立CMソング「この木なんの木」を担当。